この物体は何でしょうか? と先週、当ブログに載せましたが、今日は答えを。
正解は、深海底3000〜5000mに転がっていた「マンガンノジュール」でした。
マンガンノジュールが海底に分布する様子
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深海底に落ちているサメの歯や小石のまわりに、
鉄・マンガン酸化物などがゆっくり付着して塊となり、
大きいものだと直径30cmにもなるとか。
一番上の写真のものは直径3.5cmほど。
それでも、1cm大きくなるのに平均約100万年と言われるので、
この大きさになるのに実に350万年、深海底でわずかに動きながら、
海底下に埋もれることなく、丸い形になったと考えられています。
いまニュースで、レアメタルという言葉をよく聞きますが、
コバルト、ニッケルなども含むマンガンノジュールは、
1970年代から90年代まで、有望な海底鉱物資源として盛んに研究されていました。
地球のどこにどれくらいある、回収方法は? などはもうほぼ分かっているはず。
でも、資源として使うには採算がとれる見込みがないので、いつの間にか
研究対象ではなくなってしまいました(代わって、温室効果ガス
二酸化炭素の海洋中の循環などがおもな研究テーマとなったのです)。
レアメタルが注目を浴び、ふたたびマンガンノジュールが
話題にあがることが多くなりそうですが、過去の研究成果が役立つといい。
海底資源としてはもっと有望視されているメタンハイドレードと
ともに、私たちの暮らしに役立つ日が近い将来くるのかもしれませんね。
科学バーのゲスト、後藤忠徳さんによると、
メタンハイドレードは、いまの日本の暮らしを支えるエネルギー源として、
5〜10年分くらいと試算されているそうです。
「それは助かる!」と思える量ですね。研究に注目していきましょう。
科学バーでは、マンガンノジュールといっしょに、
ちょっと珍しいものを回覧しました。
新発売のカップヌードル・シーフード味(極ミニ)。
携帯に便利、小さいのに満腹感は得られるといま話題の一品。
ではないんです! 本当は、
水深4200mに沈めたカップヌードルのカップ。
材質の中の気泡が水圧によってほぼ均一に潰れて手のひらサイズに。
科学バーの参加者の皆さんは、マンガンノジュールよりこちらに注目。
深海の圧力が実感できる、いいサンプルです。
※関連記事:経済的な視点で書くと深海の話はこうなるという例はこちら。
朝日新聞GLOBE「深海フロンティア」
(H)
ギャラリーキッチンKIWI
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