曾野綾子
「私日記」 第163回 煮豆にもならない豆の話
四月八日〜十日
<前略>
九日は一日ぶらぶら。読書も。
二月二十一日にベトナムの山間部で食われたダニの跡がまだ猛烈に痒い。
足に四カ所、肩甲骨の上に一カ所。その痒さがいつまでも続いていて、掻く
と強烈によみがえる。少し楽しみ。
それで、『ダニ・マニア』(島野智之著・八坂書房)という本を買ってし
まった。私を食った奴の「お名前」を知りたいと思ったのだが、現物を捕ま
えてこなかったので、「お顔」もわからず、それは不可能。しかしこういう
本まで買える日本は、何という知的で豊かな国なのだろう。著者は仙台にあ
る宮城教育大学環境教育実践研究センター准教授でいらっしゃるという。
<後略>
「Voice」2013年7月号(PHP研究所)掲載
ここに出てくる“珍本”『ダニ・マニア』(島野智之著)は、
キウイラボが企画編集した本の中でも(一部で)話題をさらった一冊。
本を買って読み、こうして日記に記してくださったのだから、
きっとお値段以上の感動をもたらすことができたのだろう。
この本、そのタイトルからは想像できないと思いますが、
食べものとの絡みも多いのです。
フランスのマルシェで見つけた、おいしそうなミモレットの話
「1章 ダニでチーズはうまくなる」から始まり、
終盤には「6章 タイ料理とダニをつなぐ香り」というように、
世界のおいしい料理の話が出てきます。
面白さは保証します。
(H)
Happiness is always delicious!
ギャラリーキッチンKIWI
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