久しぶりの科学バー・サル編。
通称「おさるバー」は今回で5回目。
今夜は、チンパンジーを追って20年以上のレギュラーゲスト、
『ボノボ 地球上で、一番ヒトに近いサル』の著者、
江口絵理さんのお二人がゲストとして登場。豪華ツートップ!
すぐにでもお話をはじめたいところですが、
まずは、料理家スヌ子の料理とお酒を召し上がっていただきます。
お馴染みですが、常に進化する「大人のポテサラ」をはじめ、
・パイナップルコールスロー
・タコのハリサマリネ
・フレッシュなすサラダ
そして、
・レモンチキンとれんこんのロースト。
これがうんまい!
ワインにもビールにも合います。
料理とお酒で、少し気分もよくなったところで、
ご来店の皆さんの自己紹介タイムへ。
「お名前、ご職業、なぜ今夜ここへ?」
これだけのことですが、場がなごむから不思議。
会場もあたたまったところで、
ビールを飲みながら、リラックスした
山越さんのチンパンジーミニ概論の始まりです。
おさる好きにはたまらない贅沢な時間。
山越さん、人間性を探求すること、ヒトの進化を再構成することをめざす、
サル学、霊長類学の歴史をひも解き、
60〜70年代のベトナム戦争やヒッピー・ムーヴメントと
深く結びついてサル学は発展したと指摘。これは「!」。
チンパンジーの社会を考えるうえで大切なキーワード「離合集散」は、
職場の飲み会の二次会、三次会に行くときの人間の動きに似ているとか。
チンパンジーの政治力、オス中心社会、攻撃性は、
後半のボノボと対照的な特徴なので、少し詳しく。
山越さんの専門、チンパンジーの「食」と「道具使用」については、
貴重な動画を公開。何十種類にもおよぶ道具は、
地域によって使うものが異なるのだそう。面白い。
*詳しくは、山越 言「アフリカ類人猿のソシオエコロジー:THV仮説の現在」
(『霊長類生態学』京都大学学術出版会)などをご覧ください。
休憩を挟んで、後半はボノボへの愛に満ちた江口さんのお話。
かつて、ピグミーチンパンジーと呼ばれていたボノボ。
チンパンジーに似ているけれども、ちょっと違う。
写真によっては、とても人間っぽい。というか、
こういう人、いるよね? というほど人っぽい。
江口さんは、『ヒトに最も近い類人猿ボノボ』という翻訳書の
編集を担当したことがきっかけで、一冊のボノボ本を書いてしまった人。
セックスでケンカを避ける習性、女が生きやすい社会をつくるボノボのことを
知れば知るほど好きになり、「生まれ変わるなら断然ボノボ」なのだそう。
ボノボの分布、特徴など、話が進むにつれて熱が帯びてくるのも当然。
参加者の皆さんも、ボノボのユニークな行動に興味津々で、
山越さんの“学術的サポート”を受けながら盛り上がり、
いつも通りのおせおせ進行。
バー特製欧風ビーフカレーを〆に召し上がっていただいたあと、
さらに1時間、おさるトークは続いたのでした。
そして、最後に質問。
「生まれ変わるとしたら、
チンパンジー? ボノボ?」
ぜひ、山越さんが一般向けに書いた文章や江口さんの本を読んで、
ご自分に聞いてみてください。
(H)
Happiness is always delicious!
ギャラリーキッチンKIWI
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