2014年3月15日土曜日

【ルポ】科学バー サル編 vol.6「エイジングの進化論 チンパンジーの高齢化から見えること」

菜の花のオムレツは春の味
今宵の科学バーのお料理は、ご好評いただいている定番大人のポテサラ、豚肉のポルケッタ、菜の花としらすのオムレツ、ソーセージのピクルス、れんこんのヤム、そして〆の特製欧風カレー(3、4日煮込んでます)。オムレツには、お客様から「このふわふわの食感とテクスチャーがすごい。おいしい!」とお褒めの言葉をいただき、料理担当のスヌ子が木に登ってしまうほど。
海外出張や航海で留守が多かったNobu店長が、バーカウンターの奥から温かいまなざしで見守ってくれています。

お酒とお料理を楽しんでいただいたあと、夜7時30分頃からトークをスタート。ゲストは、おなじみの霊長類学者、山越 言さん(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)
満員御礼! 深謝!
これまで「おばあさん仮説」や「人は料理で進化したという仮説」など、チンパンジーとヒトと進化をめぐる話題を、知識ゼロから楽しめるようにお話してくれた山越さん。今回は、ご自身が90年代から通う、ギニアのボッソウ村にいるチンパンジーが高齢化している、という新たな発見の話。

寿命は35〜40歳と考えられていたチンパンジーがいま、50〜60歳を迎えることが珍しなくなったのだそう。メスでは50歳を越えてなお閉経しない個体も報告され、なぜこのようなことが起こっているのか? という疑問へのハッキリした解答はまだなく、議論はこれから。

野生動物の年齢を把握することの難しさ、そもそも寿命とは? など、高齢化する過疎の村を連想させるボッソウのチンパンジーの群れについての報告に、かなり突っ込んだ質問が多く、なんだかいい雰囲気。
一人一人の体の特徴で見分ける
超高齢化社会する現代社会と、年齢構成の近年の変化の様子があまりにも似ているので、これは! と思ったりしつつも、まずはボッソウのチンパンジーがこれから先どうなるのかも含めて山越さんの研究成果を楽しみに待つべきなのでしょう。
いま考えられること
定説となった話を聞くことの多いサイエンスカフェですが、今夜のように、まだ新たにわかりはじめたばかりのことで、ゲストの研究者も結論に至っていない話を聞くのは、とてもスリリング。参加者から出る話の中に、何か核心を突くヒントが隠れているかもしれませんから。


(H)

Happiness is always delicious!
ギャラリーキッチンKIWI

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