三軒茶屋駅の地上に出てすぐの昭和系三角地帯にある老舗スナック「オスカー」。先日KIWIにお越しいただいた都築響一さんの本『東京スナック飲みある記』で面白そうだと思っていたところに、キウイ寄席のお客様Mさんから「オスカー、いいですよ」と、とどめの一撃。すぐにでも行こうと思っていたお店なのです。平日の深夜1時過ぎ、隣の駅に降りたというのに、今夜しかない! との強い想いにふいに駆られ、ふらふら歩いて行くことに。すると、いい案配に知人のイラストレーターI.Hさんに遭遇。「行きましょう、いっしょに飲みましょう」ということに。
進駐軍のバーでカクテルを作っていたという熟練バーテンダーでもあるオーナーはすでに帰宅したあと。息子さんが「ヘタなんですけどねぇ」なんて謙遜ながら作ってくれたマティーニを飲みながら、我々二人の相手をしてくれたのでした。「いま立て替え中の数寄屋橋交差点の東芝ビルに進駐軍のバーがあったんですよ。そこでマスターはバーテンダーを始めて・・・」とか、老舗ならではのエピソードをいろいろ聞いていた中でいいなと思ったのが内装の話。「ちょっとこの壁、中之島のリーチバーみたいじゃないですか」「この前、ミシマ社の社長に連れて行ってもらいましたよ。あそこもここもいいですねー」なんてHさんと話していたら、「これ宮大工が作ったんです」って。レトロな照明がつくりだす陰影の中の壁と天井の細工が潔いのはそれか! と、たぶん何度も何度も繰り返し感心していたと思います。立派なカウンターの縁についた白い肘掛けは見た目もよく、固さがちょうどいいのでリラックスした姿勢で飲み続けられる。「ダルマでハイボールください」と頼めば、息子さんから「ご出身は?」と聞かれ、「東のほうです」と応じると、「ですよね。関西の方はオールドをタヌキって呼びますから」というお酒の話。楽しいですね、こういう会話。何杯かダルマのハイボールを飲んで初オスカーの夜はお開きに。
サントリーバーなのに、ビールはサッポロ ☆! こんな懐の深さがこのお店の魅力です。
(H)
Happiness is always delicious!
ギャラリーキッチンKIWI
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