2012年9月26日水曜日

【ルポ】科学バー サル編 vol.1「女性の進化」

バーごはんは、KIWIの料理家スヌ子による、
グァカモーレ&チップス、大人のポテサラ、
みんな大好き牡蠣のオイル煮、干しきのこのコリアンダークリーム、
アンチョビおさつ、シーフードヨーグルトカレーなど、たっぷり。
写真はスタッフ用にちょっとだけ取り分けたもの。
まだまだ暑い夜でしたので、
冷たいスパークリングワインとビールの注文がすごい。

今夜の科学バーは、初めての<猿編>。
ゲストの山越 言さんが「女性の進化」を語ります。

大きなテーマですが、今回は絞りに絞って、
シングルで生きる女性が増えていることや、
ほかの動物にはほとんどない閉経について、
「進化」をキーワードに迫ります。

もう10年以上前になるんですね、とまずは、
石原都知事の「ババア発言」から振り返ることに。
*子供を産まなくなった女性は……という例のアレです。
発言のもとから丁寧に検証をして、さて、
生き物の進化の面から正しいの? と。
答えは「ノー」。
女性の顔色をうかがっているわけではなく、
生物学的に間違っていることを、山越さんが(ビール片手に)
チンパンジーとヒトとの比較から明らかにしていきます。
チンパンジーは、熟女のほうがモテるんですよ、 
なんていう話に参加者一同どよめきながら、会は進んでいくのでした。
山越さんは長年、西アフリカ・ギニア共和国にある
ボッソウ村の野生チンパンジーと人々の関係を調べている研究者。
なので、話の途中に、抑えていてもチンパンジーのエピソードが溢れ出てくる。
それがまた面白いものだから、参加者はもちろん、スタッフも食い付いてしまう。
脱線につぐ脱線で、
〔参加者Aさん〕
 ところでチンパンジーって、バナナをどうやって食べるの?(なにかの拍子に食べ物の話に移行)
〔山越さん〕
 そもそもアフリカにバナナはなかったけど、人が栽培しはじめると、
 そのバナナを茎ごと倒して中の髄を食べるんですよ。果実はあまり食べなくて…
〔店主E〕
 バナナの皮をむくとき、3枚だと「サル並みだな!」とか言われなかった?
〔山越さん〕
 うーん、チンパンジーは、たしか人のようにバナナの皮むくのではなく、
 両手でガシっとつかんで割ってガブリと…つづく
こんな調子なので、いつも以上に時間を要し、
まとめにたどり着いたのは10時前(始まったのは確か7時半頃だったような…)

こちらが、まとめ。
参加していないと何のことやらだとは思いますが、
山越さんの話を聞くかぎり、女性の進化は「互恵的な利他行動」で説明ができそうです。
つまり、女性の閉経は、自分で産むのではなく、
自分の娘や孫を助けて遺伝子をつなぐ道を自ら選んで進化したもの。
シングルで生きる現代の女性もまた、働くことが結果として、
親戚の子供をはじめ、次の世代のためによい社会を築くことにつながると考えて、
人間として最良だと思う道を選んで進化した。
どちらも、“極めて人間的な現象”と言えるのだそう。

予定より時間が遅くなった<猿編 vol.1>でしたが、
よくこの短時間で(脱線に付き合いながら)まとまった話ができるものだと、
山越さんのトークのセンスに感心しきり。
参加者の皆さんからも(幸いなことに)、時間についてのお小言はなく、
「次のテーマは?」「次も絶対来ます」と、次回を期待する声をいただきました。

まだ日程は未定ですが、次の<猿編>にご期待ください。
もう、寒くなってくる頃でしょうかね。

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI





2012年9月15日土曜日

日本橋三越「ル・ポン」にインタビュー掲載


9月配布の日本橋三越フリーペーパー「ル・ポン」の最終ページに、
KIWIの料理家スヌ子(稲葉ゆきえ)のインタビュー記事が載っております。

日本橋三越、三越前駅の構内をはじめ、
コレド日本橋やにんべんなど日本橋界隈のお店で配られているそうです。
お近くに来られることがありましたらご覧ください。
もちろん、当ギャラリーにも置いてありますので、
お立ち寄りの際はご覧いただけます。

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI


2012年9月10日月曜日

【ルポ】寄席とイタリアンを堪能:新宿末広亭ツアー

KIWIの落語会「TOKYO落語<通>入門」でお世話になっている、三遊亭遊雀師匠。
その遊雀師匠が主任(トリ)を務める、
新宿末広亭9月上席夜の部に、お客様といっしょに行って参りました。

19時過ぎから入場すると半額(1400円)で、
2時間たっぷり楽しめるうれしい制度を利用。
皆さん、ご存知なんですね、19時前になると、
入口付近に人が集まって来る。なんだろうな、と思ったら、
半額で入れる時間に合わせていらっしゃっていた。

上席では、「大勝負!」と銘打ち、
トリの前に上がる師匠の噺を受けて、
トリの遊雀師匠が噺を繰り出す趣向。
5日は、トリの前が柳家蝠丸師匠の怪談噺「真景累ヶ淵 豊志賀の死」。
いま思い出しただけでも鳥肌が立ちますが、
これを受けて、遊雀師匠は幽霊つながりで「不動坊火焔」を熱演。
随所に豊志賀ネタを折り込み、笑いを誘います。
後で聞いたのですが、蝠丸師匠が何を演じるか、
高座に上がるまでわからないのだそうです。
蝠丸師匠が演じ始めて、じゃあ、どの噺で受けるか決めるそう。

ゾクっとしたり、笑ったりで大満足(これで1400円!)。
閉演後は、末広亭近くのイタリアン、ブリッコラへ移動。

ワインは、おいしいスプマンテではじまり、
前菜は、中勢以の牛肉を使ったパテ、
ちいたけ(小さい椎茸)と鶏のバルサミコ和え、真鯛のカルパッチョ。
写真はこれだけ。話が弾みすぎました。
料理は、パスタ・アマトリチャーナ、豚肉のクスクス焼き。
味もボリュームも大満足。
ワインは修道院で作られているコエノビウムという白がおもしろい味。
あとは豚肉に合わせて、上質な赤。
ヨーグルトのソルベとエスプレッソで、ごちそうさまでした。

お開きとなって、遊雀師匠と街をぶらぶら。
着物でご参加いただいた
Mさんのブログ「半幅帯で行こう!」にも
当日の様子が掲載されていますので、ご覧ください。

ご参加いただいた皆様、楽しい時間をありがとうございました。
また9月25日(火)の落語<通>でお会いしましょう。

そうそう、本日10日は、9月上席の千秋楽。
19時以降にご都合のつく方は、ぜひ末広亭へ!

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI




2012年9月6日木曜日

新クラスのご案内:スヌ子お料理レッスン

10月から新クラスが始まるスヌ子お料理レッスン。
キャンセル待ちをしていただいている皆様へのご案内をはじめました。
メーリングリストでお知らせいたしましたが、
万が一届いていないなど、ご不明な点がございましたら下記までご一報ください。

ギャラリーキッチンKIWI <info@kiwi-lab.com>

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI

満席になりました:スヌ子お料理レッスン(9月13日)

昨日、ホームページで募集をいたしました、
スヌ子お料理レッスン(9月13日)の単発でのご参加分は、
さっそくご応募をいただき、満席になりました。ありがとうございます。

スヌ子お料理レッスンは、
10月から平日夜と週末昼の2クラスを新設いたします。
キャンセル待ちの皆さまから順番にご案内をした後、
ホームページで募集をいたします。


(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI




2012年9月5日水曜日

トリは三遊亭遊雀師匠:新宿末広亭・9月上席夜の部

趣のある寄席として人気のある新宿末広亭
その9月上席(1日〜10日)夜の部のトリを、
TOKYO落語<通>入門でおなじみの三遊亭遊雀師匠が務めています。
ファンの方は、何度も足を運ぶという、見所の多いトリの高座。
昼夜通しでもよし、19時以降に半額で入場するもよし。
いずれにしても、お勧めです。

本日5日は、KIWI落語会の常連の皆さまと、末広亭へ行ってまいります。
高座を終えた後の遊雀師匠も参加しての食事会は、
いい店と評判のTORATTORIA Briccola(末広亭の近く)。
楽しい夜になりそうです。

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI

【ルポ】科学バー 海編 vol.5

バーごはんは、KIWIの料理家スヌ子による、
ディルと赤玉ねぎの豚しゃぶサラダ、スペイン風オムレツ、
ナスのスパイシーサラダ、アボカド・ディップなど、たっぷり。
暑い夜でしたので、冷たいスパークリングとビールの売れ行きがすごい。

こちらは、黒カビで発酵させた南仏のレアなチーズ
「ロッシュノワール(黒い岩)」。
本物の岩のような見た目に一同驚き、
というのは冗談で……、
ゲストの後藤忠徳さん(下の写真:右手にしっかりビール)が、
沖縄沖の水深約1100メートルに潜ってとってきた黒鉱(くろこう)。
注:食べられません。
ここは、科学バー。
お酒で気分も上々、お腹も満たされたところで、
今夜も、海の話にどっぷり浸かっていただきましょう。

本日のお題は「海底に眠る資源を探せ!」と、
次回の予告をかねての「ちきゅうレポート」。

沖縄沖の黒鉱は、銅、鉄、銀、ほか話題のレアアースを豊富に含み、
埋蔵量も多いのでは? と注目されているのですね。

というわけで、後藤さんが、
実際のところどんなもんやろう、と自作の最新観測機器を
しんかい6500に積んで沖縄沖の深海に潜ったわけです。

しんかい6500から撮影した深海の様子。
これだと何だかよくわからない! ですよね。
深海1000メートル付近で見つけたのは、
温泉のように熱水が噴き出している場所(熱水噴出孔)。
その周辺に黒鉱が溜まり、高さ20メートルほどの
塚のような地形(チムニー)をつくっているのです。

チムニーができる仕組みは、
断面図のほうがピンとくるはず。
後藤さんのつくるスライドはどれも気配りが行き届いています。
青色は海、茶色が海底。矢印は海水の流れ。
海底にしみ込みこんだ海水は、
マグマなどで熱せられてアッチッチの熱水となり、
やがて熱水噴出孔(海底の穴)から噴き出します。
熱水は、鉱物をたっぷり含んで見た目が黒っぽい。
「ブラックスモーカー」という名前がついているくらいです。
このブラックスモーカー(図:クリーム色のもやもやした部分)のなかの鉱物が、
熱水噴出孔のまわり(図:オレンジ色の部分)にたまり、
1年で高さ8メートルくらいの黒鉱のチムニーができるのです。
ニョキニョキ伸びる! といっても大げさじゃないスピード。

驚いたのは、いまこの黒鉱を“養殖”しようとしていること。
海底に穴をあけて、熱水を噴出させて黒鉱のチムニーを人工的につくる計画。
どう回収するか、コストは? と問題山積みですが、
今年3月から、調査・研究は進められています。

……というような話で、いつも以上に盛り上がり、
いい時間になりましたので、〆の特製カレーをサーブ。
夏ですから、辛口のタイカレーを(これが目当てという方も)。

休憩時間に語り合う、気象学者の茂木耕作さんと後藤さん。

科学バーの最後は、次回の予告もかねて、
写真も撮れる店主の江口暢久さんから、簡単に「ちきゅうレポート」。
3.11の巨大地震を起こしたプレート境界断層に、
温度計を設置することに成功した話。
深海7000メートルまで長いパイプをつなぎ、
その海底からさらに850メートルをドリルで掘り、
その穴に温度計を設置するという、気の遠くなるようなプロジェクト。
一度失敗しているだけに、
ちょっと感動的な話になっていました(詳しくは「ちきゅうTV」をご覧ください)



次回の科学バー<海編 vol.6>は、10月下旬開催予定。
店主の江口さんがメインで、ちきゅうの話を。
後藤さんが店主を務める予定です。
日程は決まり次第、お知らせいたします。

 9月21日(金)19時〜

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI