雑誌「anan」の「男のホンネ特集」の小さな記事から、
この晩は始まりました。
男ってどうしてこうなの?
料理はマスト?
アンケートに答えた男性(20代?)の多くが、
女性に料理を作ってもらいたいと思っている。
いつの時代も変わらないけれど、
なんでだろう? というギモンを生物学的に考えましょう。
まず「進化の隣人」と呼ばれる、
野生チンパンジーの食の傾向を紹介。
これはゲストの山越さんの十八番のひとつ。
西アフリカにあるギニアの鎮守の森で、
ひたすら野生チンパンジーを観察し続けたからでしょう、
動物のことというより、親戚か家族の話をしているような、
そんな口ぶりです。
よく調べてみると、野生チンパンジーの食性は、
熟した果実、葉、草本の髄、アリから、
肉、イモ類、ナッツ類などに依存していったそう。
食の変化は何をもたらすのか?
それは、脳の大型化でした。
消化率が上がると、食べる時間、
消化する時間も短くなり、消化器官の役割が小さくなる。
その分あまったエネルギーが脳にいく。
(ちょっとはしょりますが、)
ヒトではさらに、火を使い、
調理をすることで消化率が飛躍的にアップして、
それがさらなる脳の大型化をうながしたのでは?
という説があるのです(注)。
この後は、
より効率アップをめざすのが人間ですから、
調理場が登場して、食糧という財産を守る必要がでてきた。
食べ物を獲って帰る夫と、
それを調理して家族に食べさせる妻という役割分担は、
いずれ一夫一妻制となる。
これが何万年前からなのかはわかっていませんが、
火の使用の痕跡は60万年前まで遡れるので、
食にまつわる夫と妻の役割分担には、
けっこうな歴史があるのかも。
というわけで、もう遥か昔から、
男性は女性に料理をつくってもらいたがり、
女性は男性の「胃袋をつかもう」としてきたわけです。
ananのライター、編集者も、
ここまで記事を深読みされるとは思ってもいないでしょう。
もう少し詳しく知りたい方は、
リチャード・ランガム著『火の賜物』(NTT出版)をご一読ください。
年末年始はギニア(西アフリカ)に滞在中の山越さんと、
次のテーマを相談中。今のところ、「お酒」が有力候補。
次回は2月の予定です。おたのしみに!
*注
人類史は400〜500万年ほど前から
始まったというのが通説。でも、火の使用の痕跡は、
まだ60万年前までしか遡れない(遺跡が見つからない)。
だから裏付けができたわけではない。
(H)
Happiness is always delicious!
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